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ボツリヌストキシン治療

歯科医院で行うボツリヌストキシン治療

ボツリヌストキシン治療とは、ボツリヌス菌が生成するボツリヌストキシンを加工した製剤を咬筋に注射することで、歯ぎしりや食いしばりなどで過度な力がかかっている筋肉の動きを抑制する治療方法です。美容外科治療でよく聞くボトックスもボツリヌストキシン治療の薬剤名の1つです。美容外科では主に小顔効果やシワ・たるみを改善するためにボツリヌストキシン治療を行いますが、歯科医院では歯ぎしり・食いしばりなどを改善するためのボツリヌストキシン治療を行います。ボツリヌストキシン治療は、歯ぎしり・食いしばりで生じる歯のすり減り、破折リスク、歯茎への負担、顎関節への負担などを軽減する効果が期待できます。ボツリヌストキシン製剤は完全に無毒化されているので、人体への影響はなく安全に使用することができます。

歯に大きな負担をかける歯ぎしり・食いしばりとの関係

歯ぎしりや食いしばりは歯に大きな負担をかけます。通常かかる噛む力は、自分の体重程度ですが、歯ぎしり・食いしばりの際にかかる噛む力はその2〜5倍ほどになると言われています。そのため顎関節にも大きな負担がかかり、顎関節の痛みや口の開け閉めの際の不調などが起きることがあります。また、歯ぎしりや食いしばりで毎日歯に大きな力がかかると、歯がすり減ったり折れたり、セラミック素材の詰め物や被せ物が割れてしまうことがあります。さらに、歯茎や歯槽骨にも負担がかかるため、歯周病の悪化や知覚過敏を招くおそれもあります。ボツリヌストキシン治療によって噛みしめる力を抑制することで、歯や口腔筋への負担を軽減し、お口周りの健康を維持します。歯に大きな負担をかけてしまう歯ぎしり・食いしばりは、できるだけ早めに治療をする必要があります。

ボツリヌストキシン治療をおすすめする方

歯ぎしり・食いしばりを改善するためにはボツリヌストキシン治療が効果的です。歯ぎしり・食いしばりは睡眠中など無意識のうちに行っていることがほとんどなので、自覚がない方が多くいらっしゃいます。自覚がない方でも、次のような症状がある場合は就寝中に歯ぎしりや食いしばりをしている可能性があります。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

舌や内頬に歯の跡が付いている方

お口の中を見たときに、舌の側面や内頬に歯の跡が付いている方は食いしばりをしている可能性が高いです。通常、口を閉じているときは上下の歯はわずかに隙間があいていて接触することはありませんが、食いしばり癖があると常に舌や頬に歯が押し付けられてしまうため歯の跡が残ってしまいます。

顎関節症の症状がある方

口を開け閉めするときに顎関節からカクカクと音がする、口を大きく開けることができない、顎関節に痛みがあるなどの顎関節症の症状がある方の多くは歯ぎしりや食いしばりの癖があります。歯ぎしり・食いしばりの際にかかる噛む力は通常の2〜5倍になることがあるため顎関節に過度な負担をかけてしまいます。

原因不明の慢性的な肩こりや首こり、頭痛、眩暈(めまい)がある方

歯ぎしりや食いしばり癖があると常にお口周りの筋肉が緊張しているため、口腔筋につながる肩や首、こめかみの筋肉にも影響を及ぼし、肩こりや首こり・頭痛・眩暈(眩暈)を引き起こす可能性があります。歯ぎしり・食いしばりによる一部の筋肉の過緊張は全身の筋肉のバランスを乱すおそれがあります。

起床時に顔まわりや顎に違和感やだるさがある方

就寝中に歯ぎしりや食いしばりをしている場合、顔まわりの筋肉に過度な力がかかっているため起床時に違和感やだるさを感じることがあります。

詰め物や被せ物がすぐ割れる・何度も外れる

詰め物や被せ物がすぐに割れてしまう場合や繰り返し外れてしまう場合には、歯ぎしり・食いしばりによって詰め物や被せ物に過度な力がかかっている可能性があります。破損した詰め物や被せ物は、汚れや細菌が溜まりやすく、むし歯や歯周病リスクも高めてしまいます。

歯のすり減り、亀裂、知覚過敏がある方

歯ぎしりや食いしばり癖があると、毎日歯や歯茎に大きな負担がかかるため歯がすり減ったり、歯にヒビが入ったり、知覚過敏が生じることがあります。歯ぎしりや食いしばりで継続的に力がかかることで歯と歯茎のキワが削れてしまうことを「くさび状欠損」といいます。くさび状欠損は刺激に敏感な歯の象牙質を露出させてしまうため、食べ物や飲み物の温度によって歯がしみるようになります。

治療中の歯周病がなかなか改善しない方

歯ぎしりや食いしばりは歯茎や歯槽骨にも大きな力がかかるので、蓄積したダメージによって歯周組織が衰え、歯周病を悪化させてしまいます。歯周病の治療をしているのになかなか改善がみられない方は歯ぎしり・食いしばりがないかチェックしてみましょう。

歯科医院で行うボツリヌストキシン治療を受けるメリット

ボツリヌストキシン治療は美容外科で行う治療というイメージが強いかもしれませんが、美容目的ではなく歯ぎしりや食いしばり改善のためには歯科医院でボツリヌストキシン治療を受けるとさまざまなメリットがあります。歯科医院でボツリヌストキシン治療を受けた場合、噛む力をボツリヌストキシン治療で抑制するとともに、必要に応じて歯ぎしり・食いしばりの根本的原因となっている噛み合わせの問題や口腔内の問題を改善する総合的な治療が可能です。 また、歯科医師は口腔顔面領域の解剖学や機能に関する深い知識がありますので、安全に口腔機能改善のためのボツリヌストキシン治療を行うことができます。

歯ぎしり・食いしばり、顎関節症の改善

歯ぎしりや食いしばりによって顎関節に大きな負担をかけてしまっている場合、ボツリヌストキシン治療をすることで噛む力を弱め顎関節への負担を軽減することができます。また、歯ぎしり・食いしばり治療では、ボツリヌストキシン治療とスプリント治療を併用することでより効率的に改善することが可能です。

お口周りのお悩みを解消

ボツリヌストキシン治療はガミースマイルの改善、エラの張りの解消、口角アップ、口元のシワの改善、ほうれい線を目立ちにくくする、顎の梅干しシワの改善などにも効果があります。

その他の副次的効果

噛む力を弱めることで歯ぎしり・食いしばりが原因で生じていたさまざまな症状も改善することができます。肩こりや首こり・頭痛・眩暈(めまい)の改善や、歯のすり減り・歯周組織への負担の軽減などが期待できます。